I will try to do my best.

↑タイトルは終演後カーテンコールでのカンブルランの弁。

読売日本交響楽団
第492回定期演奏会《常任指揮者就任披露演奏会》
サントリーホール
指揮:シルヴァン・カンブルラン


ベートーヴェン/序曲《コリオラン》
マーラー交響曲第10番嬰ヘ長調から〈アダージョ
シェーンベルク交響詩ペレアスとメリザンド

カンブルラン常任就任披露。火山噴火の影響による航空便の欠航で来日が危ぶまれたが,通常の6倍にあたる72時間(!)もかけてリハーサルに駆け付けてくれたそうな。そんな長旅の後にこのプログラムとは想像しただけで疲弊しそうだ。自分には不案内な方面のプログラムではあるが,せっかくなので拝聴しに参じた。
ベートーヴェンはかなりノンヴィブラートを徹底させた演奏(第2主題なんかはかけてるけど)。主部冒頭,1小節ごとに間を空けて弾かせていたのが,吃りながら話しはじめるような面白い効果だった。
例に漏れずヴィオラが目と鼻の先だったので,マーラー冒頭は自分まで緊張した。程なく甘美な音色に包まれて,気持ちよーくウトウトした(いい意味で)。
フォーレドビュッシーで抱くイメージとは異なり,シェーンベルクの《ペレメリ》はずいぶん劇的,ヴァーグナー的ですね。集中度の高い力演だったのでは。40分を超す当作は,原作に従った部立てがあるとはいえ,切れ目ない交響詩としては《英雄の生涯》などと並ぶ最長の部類だろうか*1?今年は,カンブルランの《ペレメリ》シリーズと,アルミくん&新日フィルのドビュッシー全曲上演があるペレメリ当たり年である。後学のためなるべく聴きに行けたらと思う。しかし,あろうことか原作の和訳っていま絶版のようですね。読んでおこうと思ったのに。

*1:リストの第1作《人,山上で聞きしこと》は30分ぐらい。