バウアー

旅行記をあげ始めた矢先に順番が前後して申し訳ないですが,忘れないうちに。久々に実演で刺激を受けたくなり行ってきました。

読売日本交響楽団
第529回名曲シリーズ
指揮:テオドール・グシュルバウアー
ヴァイオリン:ジョセフ・リン


シューマン/歌劇《ゲノヴェーヴァ》序曲
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
(アンコール)J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番より第3楽章〈ラルゴ〉
ドヴォルジャーク交響曲第8番ト長調
(アンコール)モーツァルト/歌劇《魔笛》序曲

小走りで登場するグシュルバウアーは,近所でジョギングしてるおじいちゃんといった雰囲気。《こうもり》のDVD(1980年)で見たような眼光鋭く気張った感じは減じて,好々爺になってらっしゃる模様。
グシュルバウアーもソリストのリンも人民服風の舞台衣装(マオカラー)だったので,二人並ぶと気功か太極拳の師弟に見えて面白かった(どっちが師でもありえそう)。グシュルバウアーの方がリンに合わせてみたのかもしれませんね。リンの演奏は快演だった。
グシュルバウアーの指揮はオケをどんどん鳴らしていく方向で,前半プロではそれが比較的うまくいってたと思うのだが,ドヴォ8ではチェコっぽさを感じないわりに下品な演奏という印象で感心しなかった。弦が鳴らしすぎ→金管(特にホルン)も吠える→強奏で音が荒れる,という良くない時の読響パターン? ややせわしない演奏で,第1楽章前半は特にフレーズの最後が寸づまりになりがちだった。第4楽章だけは遅め。
聴きながらふと考えたが,ドヴォ8はKm祭の演奏がまだ記憶に新しいため,今日のような残響過多な演奏を無意識に耳が拒絶してしまってるかもしれない。
打楽器が加わらないので,アンコール何だろう,スラヴ10番はできるっけ…? と思っていたらまさかの魔笛だった。これは何故かというと,来月同コンビが二期会魔笛のピットに入るため。しかしアンコールが一番粗のない良い演奏ってどういうことですか。
今年の読響は退団ラッシュだなあ。公演ごとに花束贈呈が行われてるような。