86歳の春

おじいちゃん指揮者週間だったな。

読売日本交響楽団
第170回東京芸術劇場名曲シリーズ
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ピアノ:エヴァ・クピーク


ヴァーグナー/歌劇《タンホイザー》序曲
ショパン/ピアノ協奏曲第1番ホ短調
シューマン交響曲第1番変ロ長調

今回のミスターSは比較的お元気そうに見えた。
タンホイザーはスケールの大きい,かつ勢いのある演奏。ホルンが少し不調だったが良かった。
ショパンの伴奏もなかなか勇壮だった。この三者の組み合わせでは2007年にショパンの2番をやっているらしい。クピークのピアノは,初めこそ粒が不明瞭な印象を持ったものの,第2・第3楽章では微かに揺らぐような即興的な味わいが魅力だと感じた。
シュー1は,やや踏み外し的快演だった。第1楽章のテンポが速すぎて歯止めが利かなくなり,クラリネットソロが妙ちきりんなことに。坂道を転がり落ちるようで可笑しかった。シューマンならばこれぐらい躁っぽくてもいいと思う。全般に若々しい勢いのある演奏で,オケも張り切ってるのかな(張り切りすぎ?)と思われた。この歳で「若気の至り」的な演奏ができるミスターSは素敵です。