ファイヤー

新日本フィルハーモニー交響楽団
新・クラシックへの扉〜金曜午後2時の名曲コンサート〜
指揮:クリスティアン・アルミンク
ヴァイオリン:西江辰郎
ヴィオラ:中村美由紀


ハイドン交響曲第59番イ長調《火事》
モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)
モーツァルト交響曲第29番イ長調
(アンコール)
モーツァルト/ディヴェルティメントニ長調K.136より第1楽章

「扉」シリーズは定期と違って当日学生券システムはなく,前売りの段階から2000円か1500円だと知った。1000円で聴けてしまう定期に比べると少し割高感があるが,折りよく3限が休講となったので(4限は…まあ問題ない授業)錦糸町に赴いた。
しかし,久々にハズレの演奏会だったかもしれない。《火事》が珍しいのでそれ目当てに来たようなものだが,敢えて取り上げた意図が見えるほどの特色も覇気も感じられない,凡庸な演奏だったと思う。そもそも《火事》はこの時期のハイドン交響曲の中ではとりたてていい曲と思わないのですが。
協奏交響曲ソリストは新日フィルの首席。ヴァイオリンを先般のライナー・ホーネックに比べる気は元よりないものの,ヴィオラの人の方が何箇所か音を間違えていたようで,そのたびに思わずビクッとしてしまった。聴き手をハラハラさせてはいかんでしょう。読響の鈴木氏にはだいぶ及ばないと思われた。
29番(特に後半)はなかなかいい演奏だったように思うが,全体としてはちょっと残念な感の残る演奏会だった。逆説的にウルフのモーツァルト39番が中庸でありながら高度な演奏だったことがわかる。平日昼の名曲コンサートならこんなもんなのかなあ。ネガティヴな感想が主になってしまったのは風邪によるところもあるかもしれないけど。