モーツァル党

隣席の男性が連れの女性に向かって,「オケやってるとわかるんだけど」と前置きしながら解説していた。「指揮者のすぐ左が第1ヴァイオリンで,旋律担当。2〜3列目が第2ヴァイオリンで,第1ヴァイオリンが動けない所で動く。右側の第3ヴァイオリンは,伴奏しかやらない」。まあ大きく間違ってはいないけれども……

読売日本交響楽団
みなとみらいホリデー名曲コンサート・シリーズ
指揮&ヴァイオリン:ライナー・ホーネック
ヴァイオリン:ミラン・セテナ


モーツァルト/歌劇《魔笛》序曲
ランナー/ワルツ《モーツァルト党》
モーツァルト/2つのヴァイオリンのためのコンツェルトーネ ハ長調
モーツァルト交響曲第39番変ホ長調
(アンコール)モーツァルト/カッサシオン?

R.ホーネックのモーツァルト・シリーズ最終公演である。シリーズのうち3プログラム聴いたことになるかな。ホーネック頻繁に来日しますね。キュッヘルもだけど。
魔笛》のアルトトロンボーンはKw田先生で,硬質なアタックが個性的だった。読響でアルトを使う曲の場合はたいてい山下さんが吹いているイメージなので,珍しい。
モーツァルト党》(トロンボーン1管+テューバ)になると今度はテナーに持ち替え。ザラストロのアリアのソロがあり,なかなか大変だと思った。この曲は《魔笛》と《ドン・ジョヴァンニ》からナンバーのごった煮メドレーであるが,明らかに欲張りすぎでワルツの体をなしていない。ワルツの終いには《魔笛》序曲の主部をそのまんま(無理矢理)3拍子に書き換えた音楽になるので,原曲を聴いた後だと非常に気持ちが悪い(笑)。もうちょっと捻れよと思う。弾いてる人達も気持ち悪いだろう。
コンチェルトーネは珍しい曲。オーボエとチェロも活躍するので協奏交響曲的な趣がある。メインの交響曲は,テンポに振れ幅のある第1楽章など面白かったものの,第2楽章で弦が乱れたのと,要のクラリネットの不調が惜しかった。アンコールが一番良かったかもしれない。
終演後は,気候もいいのでディスクユニオン関内店(クラシックの良品が多い)まで歩くことに。みなとみらい〜馬車道の街並も面白いし,散歩にちょうどいいことがわかった。