88歳のパッション

神戸市室内合奏団
第20回東京公演 紀尾井ホール
指揮:ゲルハルト・ボッセ
ブロックフレーテ独奏:太田光子,宇治川朝政
ヴァイオリン独奏・客演コンサートマスター:吉村知子


J.S.バッハブランデンブルク協奏曲第4番ト長調
F.J.ハイドン交響曲第49番ヘ短調《ラ・パッシォーネ》
ベートーヴェン交響曲第2番ニ長調

ボッセさんは身近にいるのにちゃんと聴く機会がなかった*1ので,健在のうちに聴いておこうと思った。腰こそ年相応に曲がっているが,椅子も置かずかくしゃくと指揮する姿は,老舗の蕎麦職人といった趣。
実に魅力的なプログラムであった。ブラン4の第3楽章は心が浮き立ちますね。《ラ・パッシォーネ》は,ハイドンには珍しい全楽章短調交響曲。冒頭に示されるC-Des-B-Cの四音が他の楽章の主題にも現れる。この時期以降(大雑把に言って40番台以降)は聴き込むに値する曲が目白押しです。
ベト2は大好きな曲ですが,意外と実演少ないですよね。前プロに置くかメインに置くかを定めづらいためだろうか。新しい時代への扉を執拗にノックしているような曲だと思う(次の3番で扉突き破っちゃう感じ)。

*1:昨年の都響ハイドンはキャンセルになり,棚ボタ的トゥルコヴィッチおじさまになった。