ブラPコンNo.2を巡る雑考

ブラームスのピアノ協奏曲第2番に少し嵌っている。より正確に言えば,第2楽章スケルツォの188小節目で転調してlargamenteに入るところ*1が好きすぎて,ここを聴きたいがために全曲を(しかたなく)聴く。突如違う時代にタイムスリップしたような感覚というか,とにかくゾクゾクしませんか。ブラームス自身も,この部分は「してやったり」という顔で書いてたんではないかと想像している。
ポリーニアバド&VPO盤が,「ピアノ独奏付き交響曲」風のオケの鳴りっぷりという点で実にかっこいい。ただ上記の箇所はあまりに堂々・整然としすぎていて,「ここはどこ?」的な怒涛の勢いには欠けるとも思った。
思えばこの曲は,中学時代に先輩から熱心に薦められた曲のひとつだったけど,なかなか分からなかったなあ。ふと考えてみると,ブラームスのあらゆる曲が自分の中にすっと入ってくるようになったのは,悲劇的序曲に乗ったことがひとつの契機だったような気がする。


ところで,同じ非ヴィルトオーゾ的ピアノ協奏曲でも,ブラームスの場合は「独奏ピアノ付き交響曲だ!」とか言われるのに,ドヴォルジャークの場合は「ピアノパートが効果的でない」と切って捨てられる悲しさよ。ドヴォルジャークのピアノ協奏曲は彼の最高傑作のひとつと思うので是非聴いてください。リヒテルクライバー盤も良いですが,フィルクシュニー&ジュスキント盤がよりドヴォらしくてホッとします。と何故か最後はドヴォの話になってしまう罠。

Piano Concerto (Gm)/Romance Violin/Orch (FM)/Conce

Piano Concerto (Gm)/Romance Violin/Orch (FM)/Conce

*1:構造がよくわかっていないのでネット上のスコアで確認した。