賛歌することに意義がある

読売日本交響楽団
第486回定期演奏会 サントリーホール
指揮:下野竜也
チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ
ソプラノI:澤畑恵美
ソプラノII:國光ともこ
テノール:永田峰雄
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:田中信昭)


バッハ(レーガー編曲)/《おお人よ,汝の大きな罪を嘆け》
ヒンデミット/チェロ協奏曲変ホ長調
(アンコール)バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番より〈サラバンド
メンデルスゾーン交響曲第2番(交響曲カンタータ変ロ長調《賛歌》

なんていいプログラムだ。聴きに来る物好きは自分くらいかと思ったら,近隣に17が3人いてびびった(二人は飛び入りっぽいが)。
ヒンデミットのチェロ協奏曲は初聴きだったが,楽しい曲だった。ウィスペルウェイは2月の東響エルガー以来?高頻度だな。指揮者(ときどきコンマス)を見つめるウィスペルウェイと,見向きもしないマエストロシモーノ(および藤原さん)はやや苦笑ものだったが,いつものパターンという気がする。ウィスペルウェイが,かまってちゃんみたいに見えてしまった。
《賛歌》は,自分の中の交響曲ベスト10に入るような曲であって,ドヴォ4が終わってからというもののこの演奏会を唯一の楽しみに生きてきた気がする(笑)。メンデルスゾーンイヤーの今年にこの曲を取り上げる在京オケは読響だけなのに,空席が目立つというのは日本人アホなんじゃないかと思う。
シンフォニアのワクワク感は異常。ちょうど管弦楽だけに飽きてきた頃に声楽が入ってくるという構成は,実はよくよく考えられたものなんじゃないかと,実演に触れると思う。最初はオペラチックすぎるかと思った合唱団も,コラールなどはなかなか健闘だったかと思う。澤畑さんは(以前を知ってるわけではないが)声重くなってるのかもという印象。永田さんは高音のキメ所はそれらしくて良かったが,低めの歌い出しが聞き取りづらかった。このなにかと大変そうな曲も,シモーノ氏の丁寧な指揮なら演奏するの楽しそうだなあ。
読響の次期プログラムも発表されていた。ベタなブラームスプロが多いことや,やたらドヴォ8・9を振る人がいるせいでシモーノ氏のドヴォシリーズが7番だけになってしまったのが残念*1。そのかわり,ファウスト交響曲をやってくれるのが嬉しい。どこまでも期待に応えてくれる人だ。

明後日も聴きに行くつもりである。

*1:来年は2か3か5が聴けると思ったのに…