ブルックナー

最近,少しはブルックナーが聴けるようになってきた。
以前は専ら「ブルックナーを聴く時間があったらモーツァルトハイドンを何曲も聴いていたい」と思っていたが,色々な未知の曲に触れているうちに時間感覚もちょっとは変わってきたのだろうか。カラヤンの全集は壮大なサウンドに安心して身を委ねられるようで,あまり頭を使わずボーッと過ごしたい時間*1には良い。
交響曲というと,それ自体に感動するような精巧な構築物を求めてしまいがちであるが,ブルックナーの場合は空間(時間というべきか)を提供してくれるだけで,そこに投影する聴き手自身の思い*2が感動を左右する気がする。ブル9など特に。たとえば前者のような交響曲(《ジュピター》なりベートーヴェンなりブラームスなり)を精巧な仏像に,後者(ブルックナー)を大聖堂に喩えることもできるかもしれない。
なんにせよ実演もぼちぼち聴いてみようかと思う。ただあまりハマると大変なので深入りは控えたいが…。

*1:いつもですが。

*2:現地の人にとってはそれが「信仰心」であったりするのだろう