私のせいではないんです

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

これも定番なのでしょう。実際それだけのことはある。
導入がやはり秀逸だと思います。

きょう,ママンが死んだ。もしかすると昨日かも知れないが,私にはわからない。(中略)恐らく昨日だったのだろう。

どっちやねん。考えてから喋れよとツッコミたくなる。
また,特に目新しい言説でもないが,「健康なひとは誰でも,多少とも,愛するものの死を期待するものだ。」という一文が印象的。主人公がそれを普遍的な,自明のこととして語っているところが興味深い。